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第 5 回  京都の昔ばなし  『豆塚・ます塚』
(1月31日に長七郎さんから頂いたお話を、転載させていただいております)
皆様 ご機嫌 いかがでしょうか。 昔ばなしの長七郎です。
今日は1月31日、月末。日のたつのは早いものです。
新年を迎えたと思ったら、今週末はもう豆まきです。
孫のなっちゃんは、現在小学校1年生ですが、春が待ち遠しいようです。
幼稚園で作った豆まき用の箱を取り出して、いつでも鬼退治をする準備もできています!!
我が家の鬼役は、こりゃ−大変です。さあ、どうなることやら??
それでは節分を迎えるにあたり、京都の民話、鬼退治の物語をお送りしましょう。
それでは今日も、昔話のはじまり、はじまり〜。
むかしむかし、深泥池のそばに大きなほら穴があったげな。
あるみぞれの降る寒い晩、一人の男がこのあたりを通りかかったそうな。

すると穴の中からチラチラと灯かりが見えてな、誰ぞいるのかなと思って近づいてみると、中で二匹の鬼がおそろしい話しをしてたんやてー。

「いっぺん久しぶりに村へ行って百姓どもの作った米をとってきて、酒でも喰らおう」

「ウン、それはええ思いつきや。 * 田吾作んとこの子牛も今がちょうど食い頃やしな。ついでに村の娘でもかっさらってくるか」

「それはおもろい。そうしよう。そうしよう」と白い牙をむいてゲラゲラと笑ってたげな。

さあ、はあびっくりしてしもうて「こりゃえらいこっちゃ、えらいこっちゃ。ほんまにえらいことになりよった・・・。」 と村の庄屋さんとこへ飛んで行って、今聞いた話しを全部うちあけたらな、庄屋さんも「そいつぁ えらいこっちゃ」と、心配で心配で眠れへんかったんやて。

そしたらなあ、ばあさんがな 「ほんなら日頃信心している貴船さんへ行って相談して来はったら・・・。」と言うので、その晩腹巻の下にばあさんの作った納豆もちを入れとっくりに御神酒を入れて、上んだの貴船神社へ出かけることになったげな。

神社につくと、「貴船の神さん、神さん。今、加茂ではかくかくしかじかで村じゅうおおさわぎや。どないしたらええか教えておくんなはれ。」ポンポン両手をたたいて、おがんだんやて。そのうち夜も更けてきて、寒うもなってくるし、ついつい神棚のおみきに手がのびてな。そんなこんなのうちに晩もおそうなって、ふた時ほどした頃や、急に神棚に白い光がさしたと思ったらな、「加茂の庄屋、話はようわかった。

そもそもあの鬼は、この貴船神社の端の穴が深泥池まで続いていて、そこを通って村へ行きよるのやさかい 穴の出口と入り口を塞いでしまうことじゃ。

それから『鬼の目突き』というてな、柊の先にイワシの頭をつけて家の戸口にむすびつけておくのじゃ。また田の神さんには、ズイキで作ったなますをしんぜて、鬼が来たら田を守ってもらうよう、たのんでくことじゃ。」 というと ス−ッと消えてしもたんやて。
ハッと庄屋さんが気がついた時、外はだいぶん明かるうなっていたそうや。
おみきを飲みすぎて寝てしもうて、夢を見てはったんやな。
村にもどった庄屋さんは、村中の人を集めてよんべ神さんに聞いた話をしはったんやて。
ほんで村中の豆を集めて、鬼退治のしたくをはじめたんや。
そんなこんなのうちにその日がやってきたげな。ちょうど二月の寒い節分の晩やっ。

穴から出てきた鬼は、何や村の方からええにおいがしてくるさかい、それにつられて家の前までくると、うまそうなイワシの頭があった。

思わずガブッと食いついた拍子に、目に火がついたように痛うなった。柊のトゲが目に刺さったんや。

思わず鬼が「ウォーッ」とほえた時、 「それ今や!」 という庄屋さんのかけ声で、村中のもんが総出で鬼のきらいなイリ豆を鬼めがけて投げつけたそうや。目はつぶれてしもうて、見えへんし、後ろから豆は飛んでくるし、鬼はほうほうのていでもとの穴へ逃げ込んでしもうたんやて。

それで村人は穴にいっぱい豆を入れてふたをして、その上に山盛りに土積んで「豆塚」と名づけたそうな。

また入り口の方は、豆を入れてきた桝を埋めて、「桝塚」と名づけたそうな。
土の中にすめぬようになった鬼は人間に仕返しをしようとおもって、地べたの中で暴れまわっとったんやて。
それでとうとう田の神さんも怒って、鬼をウンゴロモチ(もぐら)にしてしもうたそうや。

もぐらにされてしもうた鬼は、それでもまだしょうこりもなく田や畑に穴をあけては悪いことをしよるさかい、節分が過ぎると子どもらが棒や空き缶を持って、

「ウンゴロモチや おやどのか まんまくどうの おんまえどう!」と掛け声かけて、もぐらになった鬼を追い出したもんや。
それから加茂では節分になると、半紙に一銭銅貨と年の数だけ豆を包んで、どこか身体の悪いところをさすって、田んぼの四隅にそっと置いとく風習ができたやて。
そしたら不思議に悪いところが治ったそうや。鬼が豆といっしょに、病気も持っていってくれるんやて。
親から子、子から孫へと語りつがれたこのウンゴロモチという子どもの祭り、今も西賀茂の一部で受けつがれているそうな。

おしまい。

*田吾作
いつもこえたごばかりかついでいるという意を人名化したもの。
百姓、またはいなか者をけいべつした言い方。
■ 長七郎のあとがき
豆まきが 終わると翌日は立春です。豆まきの晩は年の数だけ食べて一杯飲んで?
おおっと、年を取られている方は無理しないで召し上がってください。
いずれにしても皆様も、1年間の健康を祈りましょう。
■ 一読者の感想
私たちの回りからは、いつごろから鬼がいなくなってしまったのでしょう。また神様が、直接語りかけなくなってしまったのでしょう。昔の人たちは、この世界には目に見える人間の世界と、目に見えない神様や鬼や精霊の世界があると信じていました。そして、見えない異界を感じることで、多くの刺激と想像力とを得て、生活世界を豊かな膨らみのあるものとしてきました。
今日本では、国際的な学力順位が低下したことから、ゆとり教育が批判され、再び詰め込み教育に戻ろうとしています。しかし昔の人たちは、この物語にあるとおり、豊かに想像力を膨らませて身近な風習の起源や、問題の原因とそれへの対応 − つまり世界を見事に考え、説明し、解決していこうとしています。こうした想像力や関心や考える力に裏打ちされて始めて、人は科学を発展させ、豊かな学力を見につけていくものです。私たちの国の教育も、早く根本的なところで立ち直っていくと良いですね。
 
長七郎の付録
本日のお誕生日の方おめでとうございます。
【 誕生日の花言葉 】
1月31日  ギョリュウバイ(フトモモ科)   花言葉   蜜月
あなたのため 私のためにギョリュウバイ 一月尽の花として咲く』

オ−ストラリア、ニュ−ジ−ランドの原産で、ウメに似た小さな花がたくさん咲きます。一月の最後を締めくくる「誕生日の花」です。

歌人 鳥の海 昭子
 
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