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第11回  出雲市の昔ばなし  『あわて者のはなし』
(4月30日に長七郎さんから頂いたお話を、転載させていただいております。)
皆様 お早うございます。御機嫌いかがでしょうか、長七郎です。
新緑の野山に萌える今日この頃ですが、 ここ美杉台は、今は花盛りを迎えました!
エエ 、エエ−、どんな花ってそれは、はなみずき、はなずら、つつじ、藤の花などで、美杉台一面が花でうまっています。
なお都心から来られる女性は、化粧しない素顔で来てほしいです。
なぜって、美杉台の花が見劣りして、しぼんでしまうからなんです。(笑)
さて、 いつものように昔話をお送りしましょう。
今回は、 島根県出雲市 に伝わる昔ばなしです。
それでは今日も、昔話のはじまり、はじまり〜。
ある所に、とってもあわてものの男がいました。
あんまりあわてるので、かかさんが心配して、

「お前さん、ちと信心でもさっしゃったら、そのちょちょくさ(あわてんぼう)がなおるかも知れんけん。どこぞへ参ってきさっしゃんか」

と言いました。すると男はすぐその気になって、
「よし、そんならあした一畑はんへ参ってくる」
と言って、ばたばたとしたくをして、
「あしたの朝は早えぞ、弁当用意しといてごせよ」
といって、まだ宵の口だというのに、ぐうぐう寝てしまいました。かかさんは、
「あしたとは、また気の早い」

と思いましたが、悪いことではないし、それに自分がすすめたことなので、万事手落ちなく用意しておいて、自分も寝ました。するとあくる朝、まだ夜があけるかあけぬかというときに、ぱっと起き上がった男は、

「ああ寝すごした。おそんなった」
といいながら、顔を洗うのもそこそこに、着物を着かえ、朝めしを食うのも忘れて飛び出しましたが、ふとまた気がついてあともどりをして、

「ああそげそげ(そうそう)、弁当、弁当」

と言い言い、そこらへんにあった弁当らしいものを風呂敷につつみ、腰に結びつけて一目散、どんどん飛ぶように歩いて行って、ようやく一畑薬師さんへ着きました。

そこで、まず賽銭(さいせん)を打とうと思って、銭さしを出しました。銭さしというものは、昔はお金といえば、中に穴のあいた永銭(えいせん)が主でしたから、それを何十枚かひもにとおして持って歩いていたもので、この男も百もんばかりをとおしていました。それをとり出して、賽銭(さいせん)のことだから、打つのは一枚でいいと思って、一枚はずしました。

残りの九十九もんを左手に持って、ぽっと投げたところ、右手の一枚を投げたつもりのが、反対に左の方を投げてしまいました。

「あっ ! 」と思いましたが、九十九もんは賽銭箱の中に落ちてしまって、どうにも仕方がありません。薬師さんにあげたのだから多くてもいいとはいうものの、残りが一枚だけではどうにもなりません。その一もんをにぎって、すごすごと長い石段をくだってきますと、急に腹がへっているのに気がつきました。

「ええ、仕方がない、弁当でも食おう」
というので、傍の木蔭に入って、腰の風呂敷をはずしてみると、これはまた弁当だと思って入れておいたものは枕でした。
「ええくそたれめ、かかのやつ、あれほどよういっといたに、ちゃんと用意しとかんけん、こげなことだ」とぷんぷん腹を立てました。
「こげなら仕方がね。一もんではたった一つより買われんが、餅でも買あて食わかい(もちでも買って食おう)」
とひとりごとをいいながら餅屋の門に立ちました。
みると、大二もん、小一もんと書いてあります。それを見ると、かえって大きいのがほしくなりました。そこで、ぱっと飛び込むが早いが、
「一つごさっしゃいね(ください)、ここに銭おいとくけんね」
といいながら、中で一番大きそうなやつを一つつかんで、いきなり飛び出しました。ところが、それは本物の餅ではなくて、木でつくった餅の型でした。それに気づいた店の方では、
「ああお客さん、それは型だ、型だ、型だがねえー」
といって、呼び止めましたが、あわてものの方では、いよいよあわてて、
「堅てもええがね、堅てもええがね」
といいながら、何のことはない、型を持って、どんどんかけて行って、さて食おうとすると、それは木の型で食えません。
「ええい、えらくらし(いまいましい)、いよいよもってかんべんならん」
と腹を立てながら、家へ急ぎました。むかっぱらが立ってしょうがありません。
「えんだら(かえったら)、くそ、かかのやつ、どんくらわかえたら(ぶんなぐってやろう)」と、りきみ返って急ぎました。
家の戸口からかけ上るが早いか、「このだらくそ(ばかやろう)」 といいながら、スコンとかかさんの頭をなぐったと思ったら、それは隣のかみさんでしたと。
おしまい。
■ 長七郎の解説
今回の昔話は、落語に出てくるような笑い話でした。
この笑い話に似た落語の真打で、こんな話がありました。
やはりあわて者のお父さんが、子供を銭湯へ連れて行くのです。
子供が嫌がるのもかまわず服を脱がせようとしたら、風呂上がりで着替えたばかりのよその子であったり、また子供の背中を洗っているつもりで、「ずいぶん肩幅が大きくなったなあ」と話しかけたら、それはよそのおやじさんの背中だった。
こんなあわて者の話もありました。
笑う角に福きたると言います。
たまにはこうした笑い話を聞いて、いつも心にゆとりと朗らかさを絶やさず、楽しく人生をエンジョイして行きたいですね。
また昔話の中で、方言が出てきて、東京育ちの人にはちょっと判りずらかったのではと思いましたが、皆様はいかがでしたでしょうか。
なお判りづらい方言の後に、一部カッコ書きしましたのでご了承下さい。
さて 次回は何処の民話へ……。乞う、ご期待を!!
■ 一読者の感想
あわて者の話は、たしかにユ−モラスで笑い話になります。でもこの出雲のあわて者は、そそっかしいとか、おっちょこちょいというレベルを超えてしまっているように感じます。なぜなら、この男はその軽率な行動によって、自分の抱える状況をどんどんが悪化させてしまっているからです。
元来あわてるという意味には、予期せぬ事態に出会って、落ち着きを失うという意味があります。自分の都合しか目に入らず、他人や周囲への配慮が欠落している人は、この男のように常に予期せぬ運命に陥ってしまうものです。この昔ばなしは、ちょっと毒のある笑い話によって、じつは私たちを戒めているのかもしれませんね。
 
長七郎の付録
本日のお誕生日の方おめでとうございます。
【 誕生日の花言葉 】
4月30日  ボタン(ボタン科)  花言葉  風格
『あるなしの 風にゆれつつ白牡丹 神々(こうごう)しくて 清々(すがすが)しくて』
かすかな風に揺れている白いボタンは、神々しくまた清々(すがすが)しい。その姿に息をのみ、祈る気持ちになってしまいました。花ことばの「風格」を感じさせます。
歌人 鳥の海 昭子
 
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