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第 1 回  東北の昔話 『山の聟 ( むこ ) の年初参り』
さて 今年もおもしろい 昔話を送信したいと思っています ご見聞ください。
さあ 今年も楽しく 大いに笑って 明るくいきましょう。
とんと昔がありました。
昔、山のあんにゃが、里から嫁を貰いました。翌年の正月二日に、あんにゃは嫁の里へ、始めての年始に行くことになりました。あんにゃは、正直者でしたが、山の中にばかり 暮らして、世間を知らないので、母親が心配して、初年始は大事なものだから、粗相のないように、こういう工合にするものだと、色々ときかせました。母親は、着ていた羽織をチョイとぬいで、これが袴だしと言うて、羽織の袖をはきました。
庭にあったきび箒を持って来て、これが大小の刀だしと言うて、腰にさして見せました。 流しにあった飯杓子を持って来て、これが扇子だしと言うて、手に持って見せました。
「あんにゃ、これが年始に行く時のいでたちだ。ほんとに行く時にゃ、本物の袴も大小の扇子もやる。里へ行って新年のあいさつをする時には、この扇子をこうふうに前において、 主人にお辞儀をして、新年おめでとうございます、と言うがだ。それが終ったら、里の衆の一人一人に、やっぱしお辞儀をして、新年おめでとうございます、と言うがだ。
それから里には、炬燵というものがあつて、はいれと言われたら入るがよい。御飯の時に飲むお湯が熱いければ、コンコ ( お新香 ) を入れて飲むもんだ」と、母親は、よく教えてくれました。さて、正月二日に、いよいよ山のあんにゃは、嫁の里へ行きました。「御免して下さい。山から年始に来ましたが。」「いや、待っていた、さあさあ、あがってくれ。」「あの、ちょいとあいさつの支度をしたいのだが、きび箒と飯杓子、お借ししてもらいたい。」あんにゃは、袴も、刀も、扇子も用意して、もって行きましたが、それは少しも使おうとしません。着ていた羽織をぬいで、袴のようにして袖をはき、きび箒を腰にさして、飯杓子を手に持って、主人にも、家の人にも、新年のあいさつをしました。それから小座敷へ通されて、炬燵に入れと言われました。
「それでは御免してください、炬燵へ入らしてもらいましょう。」あんにゃは、着物をぬいで、丸はだかになって、炬撻へもぐり込みました。炬撻というものを始めて見たので、どうしたらよいかわかりません、それで風呂に入るようにして入ればよいと思ったのです。小一時間も炬撻にもぐり込んでいましたが、頭から汗を流して出て来ました。そして、「炬撻があきました」と言いました。夕飯をすましてから、風呂へ入れと言われましたので、風呂に入くと、お湯があまりあついので、「コンコ ( お新香 ) 一本くれ」と言うて、コンコをかじりかじり、風呂に入りました。それから寝ることになって、ふとんの上に枕がありました。枕も始めての事で、どうしたらよいかわかりません。そこであんにゃは、枕を頭に、紐でしっかりしばりつけて寝ました。朝、里の家の人が起こしに行きましたら、あんにゃは枕を上に、頭を下にしばりつけて眠っていました。里の衆は、こんな山のあんにゃに、すっかりあきれてしまいました。こんな馬鹿聟には、大事な娘を嫁にくれておくことはやめるということになりました。「娘は少し体の工合が悪いから、家で少し休んでいく、先に帰ってくれ」と、嫁を返してくれません。あんにゃは正直者ですから、そう言われても平気で、家へ帰って来ました。母親が心配して色々とききました。「あねはどうした。」「体が悪いから少し休んでくると。」「そうか、あねの里へ行って、どんげの事をした。」「お前に教えられた通りにした。羽織を袴にして、きび箒を刀にして、飯杓子を扇子にして、あいさつもした。炬撻は、はだかになって入ったし、お湯はあんまりあついからコンコを貰って入ったし、寝る時は枕と頭をしばって寝た。」母親は、あんにゃの話をきいて、それでは里の衆にあきれられたにちがいない、そんな馬鹿聟に嫁をくれることが出来ないと思うのは、当り前のことだ、と思ってがっかりしていました。そこへ、隣の家のあんにゃが、「おい、ここの若い衆は帰ったか」と、外から声をかけました。「隣のあんにゃ、まあ、家に上がってクンねえ、おらが 馬鹿あんにゃの話を聞いてくんろ」と呼びましたので、隣のあんにゃは家へ入って来ました。そして母親が、おらとこのあんにゃのような馬鹿者はない、もう嫁を戻されてしもた、これこれこういう訳だ、と、くどき立ってきかせました。「ここの嫁は、明日、おらが行って連れ戻してくるから、そんげに心配しないでいい」と、隣のあんにゃが、言いました。翌日、隣のあんにゃが、嫁の里に年始に行って、馬鹿聟がしたと同じい事をしましたので、嫁の里の衆は驚いてしまいました。「隣のあんにゃを馬鹿聟と思って、きっと、嫁を返さないかと思うが、隣のあんにゃのした事は、おらの村のしきたりで、おらもした様に誰もが、ああふうにするのだ。どうか気にかけないでもらいたい。もし悪いならば、この次からはしないから、どうか嫁を家に返してもらいたい。おらが連れてって、隣の家へ帰しますが。」「あれが、村のしきたりとはしりませんで、まことに失礼なことをしようとして、おらが悪かった。嫁は、どうかもと通り貰ってくれ、どうか連れてってくれ。」そこで、また、山のあんにゃのところへ、嫁が戻って来ました。
ちなみに
親は 出来のわるい息子ほど 可愛いと言います。
そこへ 嫁さんが 帰ってきたことで
山のあんにゃの家は また のどかな生活に戻ることができました。
お袋さんも さぞ喜んだことでしょう!!。
■ 一読者の感想
共に生きるということは、お互いの違い認めあって生きるということです。グロ−バル社会の進展の中で、今私たちのまちにも、多くの外国の方が住んでいらっしゃいます。また、人と人とのぬくもりのあるコミュニケ−ションが途絶えていく中で、隣人であっても、親と子であってさえも、今の時代は異邦人のようです。そして多くの人が、他の人との関わり方に悩みに、孤独の寂しさの中にあります。
この物語は、違う文化に生きる人たちが、そして違う個性に生きる人たちが、一旦は溝ができてしまっても、それを超えて、共に理解して生きていこうという知恵と温かみを感じます。
ますは母親のやさしさです。息子が恥をかかないようにと、一生懸命に里の風習を教えます。そして何よりも、隣のあんにゃの、自分の恥をも省みないやさしさと機転です。隣の息子と同じ恥のふるまいを行なうことで、周囲の人たちを傷つけることなく、嫁を連れ帰ります。そして、里の人たちのやさしさです。自分たちと異なる山の風習を理解して、自分たちを反省し、若い夫婦の幸せのために嫁を山にもどします。
さて、皆さんはこの昔ばなしをどのように読んだでしょうか。それぞれの皆さんの視点で、それぞれ心に残るものを味わっていただければ、幸いに存じます。
 
長七郎の付録
本日のお誕生日の方おめでとうございます。
【 誕生日の花言葉 】
1月1日 マツ(アカマツ、クロマツ) (マツ科)    花言葉  不老長寿  向上心
『元旦の膳にのせたる若松の 不老長寿の約束におう』
子どものころの正月元旦。一人ひとりの祝膳には、松葉とゆずり葉が載っていました。あのころ、松の匂いが苦手だったのですが、最近はその香りの個性を好むようになりました。
歌人 鳥の海 昭子
 
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