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滅多に聴けない、ファゴット四本のアンサンブル |
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ファゴットというのは、2枚リ−ドの大型木管楽器。主に低音域をカバ−して独特の甘くやわらかな音色を奏でます。 |
英語では、バス−ンとも称され、オ−ケストラや吹奏楽では必ず編成に組み入れられる楽器です。体力を要し、なかなかに奏法も難しい楽器です。 |
バイオリンやフル−トなどのようなメジャ−な楽器と異なり、このファゴットだけの音色を鑑賞する機会となると、そう滅多にあるものではありません。しかも四重奏となると、音楽大学のファゴット専攻の学生による練習演奏会を除いては、本邦初といってもよい試みです。その貴重な演奏会が、幡ヶ谷の地域で、しかも地元の人たちが気軽に楽しめるスタイルで開催されました。 |
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4人のプロのファゴット奏者による名演奏 |
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今回演奏を行なったのは、クラシック音楽普及の opus55代表松本和人さんを筆頭に、4人のファゴット奏者。松本さんは、元東京シティ・フィルハ−モニック管弦楽団のファゴット奏者で3,000 回以上もの演奏会行なってきた超ペテラン。他の3人も、音楽大学を卒業して演奏活動を行なう、若手の有力ファゴット奏者です。ただ松本さんの時代に比べて、現代は CD や音楽ソフト(楽曲)の配信事業などの環境が整ったことから、生演奏を行う機会がめっきり少なくなったとか。このためこうした地域での演奏会プラグラムは、若手演奏家に演奏会の機会を与えることから、音楽家にとっても意味あるプログラムとなっているようです。 |
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<< 演奏者 >> |
松本和人 |
元東京シティ・フィルハ−モニック管弦楽団 ファゴット奏者 |
永井美智子 |
ファゴット奏者 東邦音楽大学卒業 |
浅井啓太 |
ファゴット奏者 東京音楽大学大学院終了 |
東 美奈 |
ファゴット奏者 愛知県立芸術大学卒業 東京音楽大学大学院生 |
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ファゴットの構造や楽曲の説明、そして即興演奏も加えて楽しい音楽会に |
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演奏曲目は、ヴァイゼンボ−ンやモ−ツァルト等ファゴットの持ち味を引き出すクラシックの名曲を中心に、みんなが良く知る歌(團伊玖磨の花の街等)、それにジャズや様々なリズムの要素の入ったキ−ティングの『ダンスホ−ル組曲』など多岐にわたり、ファゴットの魅力を満喫することができました。 |
何より素晴らしかったのは、ファゴットのちょっと懐かしさと癒し感のある音色を、見事に奏でて下さった演奏家の皆さんの腕前。さらに楽曲の解説を補足するために、有名なフレ−ズをどんどん即興で演奏していって下さった点。さすがにプロだと、参加者がうならされた1時間半でした。 |
加えて、始めてじっくり聴くファゴットの音色は、クラシック音楽ばかりでなく、ジャズやポップスの演奏にもきわめてフィットしていることに気づかされたました。確かに最近では、アニメのテ−マ曲やポップスでよく用いられるようになってきているとのこと。本当にファゴットの魅力に、目覚めさせられる演奏会でありました。 |
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<< 演奏曲目 >> |
ヴァイゼンボ−ン |
『六つのトリオ』より「ポロネ−ズ」、「ポルカ」、「トルコ行進曲」
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モ−ツァルト |
『ファゴットとチェロのためのソナタ』 |
團伊玖磨 |
『花の街』 |
プロコフィエフ |
『愉快なスケルツォ』 |
レハ−ル |
喜歌劇『メリ−ウィドウ』より「デュエット」 |
キ−ティング |
『ダンスホ−ル組曲』 |
アンコ−ル曲 |
アイルランド民謡『ロンドンデリ−の歌』(ダニ−・ボ−イ) |
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幡ヶ谷地域チャリティ−音楽会は、まちに根ざした音楽文化の普及を目指して、3ヶ月に1回ごとに、児童養護施設若草寮のコミュニティ−ホ−ルで開催しています。 |
今回も、地域の人たちを中心に23名の方が鑑賞につめかけて下さり、20,000円の寄付金が集まりました。集まったお金は、若草寮を通じて子育て支援と、地域音楽文化振興のために寄付されました。 |
今後とも、地域での楽しい音楽の演奏会活動を推進していくとのことですので、皆さんもよろしく支援してあげて下さい。 |